ふるなびで申し込みが終わると、返礼品の話は一区切りつきます。ただし税金が軽くなるのはここからで、申請を出さないと控除は1円も入りません。しかも締切は年明けすぐ。この記事では、申し込み後にやることをワンストップ特例と確定申告の両方で整理して、つまずきやすい「1月10日」の意味も正確なところまで確かめます。
寄附して終わりではない。控除までは3段構え
全体像を先に置きます。ここを頭に入れておくと、どの書類がどこ宛てなのかで迷わなくなります。
返礼品を選んで決済まで終わらせます。この時点では税金は動きません。申し込みフォームの「自治体からのワンストップ特例申請書送付」を希望しておくと、後の書類集めが少し楽になります。
条件を満たすならワンストップ特例、外れるなら確定申告。提出先が違います。ワンストップは寄附先の自治体へ、確定申告は住所地の所轄税務署へ。
ワンストップなら翌年6月からの住民税が毎月少しずつ減る形。確定申告なら所得税の還付と住民税の減額に分かれます。金額の確認はここでようやくできます。
そもそもいくらまで寄附できるのかが決まっていない人は、先にふるさと納税の限度額の決まり方を見てから戻ってきたほうが早いです。
ワンストップ特例が使える人、使えない人
総務省の説明はこの一文です。
確定申告の不要な給与所得者等で、ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内である場合に限り、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が行えます。
総務省ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税の流れ」
ふるなび側では、この条件をもう少し噛み砕いて3つに分けています。
- ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者(会社員など)
- 医療費控除や初年度の住宅ローン控除を受ける必要がない
- 1年間(1月〜12月)の寄附先が5自治体以内
ひとつでも外れたら確定申告です。6団体以上に寄附した時点でワンストップは使えません。
5自治体の数え方で間違えやすいところ
同じ自治体に何回寄附しても、自治体の数としては1でカウントします。ここまではよく書かれている。落とし穴はその先で、申請書は寄附の回数ぶん必要です。同じ市に3回寄附したなら、自治体数は1のままでも申請は3回分。
ふるなびも、一度に複数自治体へ申し込むと寄附受付履歴で申し込み番号が分かれる場合があり、申し込み番号ごとに申請が必要だと注意しています。まとめてカートで申し込んだ人ほど、申請漏れが起きやすい構造です。
「1月10日」の正体。実務の締切と、制度上の期限は別の話
ワンストップ特例で必ず出てくるのが翌年1月10日という日付です。ここは説明が雑になりやすいので、分けて書きます。
実務としては「翌年1月10日必着」で動く
多くの自治体が、寄附の翌年1月10日必着で申請書を受け付ける運用をしています。ふるなびの案内も「申請期限は翌年の1月10日まで(必着)」。楽天ふるさと納税も2025年寄付分の申請締切を2026年1月10日(土)と公式に告知しています。
つまり読者が実際に守るべき日付としては1月10日で正しい。必着なので、1月10日の消印では間に合いません。年末に寄附した人は年始の郵便事情も込みで逆算する必要があります。
ただし、制度の条文に書かれた1月10日は「変更届」の期限
総務省の通知「ふるさと納税ワンストップ特例の取扱いについて」で翌年1月10日が出てくるのは、申請書を出したあとに記載内容が変わった場合の変更届の提出期限としてです。申請書そのものの締切日を国が一律に決めている、という書き方にはなっていません。
ふるなびの案内でもこの変更届のほうは別項目になっていて、寄附した年の翌年1月1日までに氏名や住所など(電話番号を除く)が変わった場合は、1月10日までに「申請事項変更届出書」と変更後の本人確認書類を提出する、とされています。
自治体側の動きも決まっていて、申告特例通知書を寄附者の住所地の市区町村へ送るのは翌年1月11日以降1月31日まで。10日で締めて、11日から通知を流す。1月10日という日付が実務で共通しているのは、この事務の流れに合わせているからです。
締切は国が一律に定めた日ではなく、各自治体の案内が基準になります。だから「1月10日必着」と書いていない自治体や、年末年始の受付方法を個別に案内している自治体もある。迷ったら寄附先の自治体の案内を見るのが正解で、ポータルの一般論だけで判断しないほうがいいのはこのためです。引っ越しなど内容変更があった場合の変更届の期限も1月10日なので、年末に引っ越した人は申請書と変更届の両方を意識してください。
郵送で申請するときに揃える書類
必要なのは2種類だけです。
寄附金税額控除に係る申告特例申請書
入手ルートが3つあります。
- ふるなび会員:マイページの寄附受付履歴から、寄附先の自治体名と申し込み時の情報が入った申請書をダウンロードできます。手書きの量が減るのでこれが一番速い
- 申込時に郵送を希望した場合:寄附先の自治体から寄附金受領証明書と一緒に届きます
- 会員でない・紛失した・届かない場合:未記入の申請書をダウンロードして自分で記入します
申し込みフォームで「希望する」にチェックを入れただけでは申請にはなりません。ここを勘違いしたまま年を越す人が毎年います。届いた申請書に記入して、自治体へ送るところまでが申請です。
本人確認書類
A・B・Cのいずれかの組み合わせで提出します。
| 組み合わせ | 必要なもの |
|---|---|
| A | マイナンバーカードのコピー(表面+裏面の2枚) |
| B | マイナンバー通知カードのコピーまたはマイナンバー記載の住民票の写し + 運転免許証かパスポートのコピー1点 |
| C | マイナンバー通知カードのコピーまたはマイナンバー記載の住民票の写し + 健康保険証・年金手帳・自治体が認める公的書類のコピー2点 |
通知カードを使う場合は、記載の氏名・住所が住民票と一致していないと番号の証明として使えません。引っ越し後に通知カードを更新していない人は要注意。健康保険証のコピーは、保険証番号や被保険者記号・番号、QRコードを付箋などで隠してから取ります。
オンライン申請なら郵送はいらない
令和4年中の寄附から、一部の自治体でマイナンバーカードによるオンライン申請ができるようになりました。対応するスマートフォンとマイナンバーカードがあれば、書類のコピーも切手も不要です。
ただし対応しているかどうかは寄附先の自治体しだい。総務省もふるなびも「対応している自治体に限る」と書いています。5自治体に寄附したら3つはオンライン可・2つは郵送、という混在は普通に起きます。ここを揃えようとして自治体を選ぶ必要はないですが、年末に駆け込む人はオンライン対応のほうが期限に強いのは事実です。
確定申告に回るケースと、その締切
次のどれかに当たるならワンストップは使えません。
- 寄附先が6自治体以上
- 個人事業主、給与所得が年間2,000万円を超える、副収入や不動産収入などが20万円を超える
- 医療費控除や初年度の住宅ローン控除を受ける
- ワンストップの申請に間に合わなかった
確定申告の期限は寄附した翌年の3月15日まで(申告期間は2月16日から。土日祝の関係で前後することがあります)。住所地の所轄税務署に、寄附金受領証明書を添えて申告します。
間違えやすいのが併用です。ワンストップの申請を出したあとに確定申告をすると、ワンストップ側は無効になります。自動的に確定申告が優先される仕組みなので、後から医療費控除を出すことにした人は、ワンストップで申請済みの寄附も含めて全部を確定申告に載せ直す必要があります。載せ忘れるとその分の控除が消えます。
「医療費が10万円を超えそうだから確定申告するかも」という年は、最初からワンストップを当てにしないほうが事故が少ないです。出し直しのほうが手間としては重い。
ふるなびの支払い方法
公式に用意されている決済方法は次のとおりです。
- クレジットカード(Visa / MasterCard / JCB / American Express / Diners Club)
- Amazon Pay / PayPay / 楽天ペイ / d払い
- ふるなびマネー(事前にチャージして使う決済サービス)
- 銀行振込 / 郵便振替 / 現金書留 / 自治体へ直接持参
公式の但し書きを落とさないでください。「ご利用可能な決済方法は自治体によって異なります」。ポータル全体で使えることと、その自治体で使えることは別です。決済方法を決めてから自治体を探すと、最後に弾かれます。
手続きの速さで選ぶなら、申し込みの流れが最も短いのはクレジットカードとスマホ決済です。銀行振込・郵便振替・現金書留は、入金確認まで時間がかかるぶん、12月下旬の駆け込みには向きません。その年の寄附として扱われるかどうかは入金のタイミングで決まるので、年末に現金系を選ぶのはリスクが高い。
ふるなびマネーはチャージした残高で寄附する仕組みで、チャージ分の有効期限はありません。ただし決済時は決済金額の全額分を残高で払う必要があり、他の決済方法との併用はできません。チャージ完了後の取り消しもできない。使うなら、寄附額を決めてからチャージ額を合わせる順番になります。
ちゃんと控除されたかを確認する方法
申請を出したあと、反映を確認できるタイミングは決まっています。
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 控除される税 | 住民税から全額控除(所得税の還付はなし) | 所得税からの還付+住民税からの控除 |
| 反映のタイミング | 寄附翌年6月から翌々年5月までの1年間、12回に分けて住民税から減額 | 申告後およそ1〜2か月で所得税が還付。同年6月から翌年5月まで住民税が減額 |
| 確認する書類 | 翌年6月ごろに届く住民税の通知 | 還付の通知と住民税の通知 |
住民税の通知には寄附金税額控除の欄があります。ワンストップで申請したのに控除額が0のままなら、申請が届いていない可能性がある。6月の通知は封を開けてそのまま放置しがちですが、ふるさと納税をした年だけはここを見てください。
手続きまわりのよくある疑問
- ワンストップの申請が1月10日に間に合いませんでした。もう控除は受けられませんか?
-
確定申告に切り替えれば受けられます。ふるなびも、期限に間に合わなかった場合は確定申告を行うよう案内しています。申告期間は寄附の翌年2月中旬から3月中旬です。寄附金受領証明書を捨てていないか先に確認してください。
- 同じ自治体に3回寄附しました。申請書は1枚でいいですか?
-
自治体の数としては1つですが、申請は寄附の回数ぶん必要です。ふるなびでは寄附受付履歴で申し込み番号ごとに分かれるため、番号ごとに申請してください。
- ワンストップだと控除額が少なくなりませんか?
-
控除される合計額は確定申告の場合と変わりません。違うのは引かれ方で、ワンストップでは所得税の還付がなく、その分も含めて住民税から控除されます。手元に現金が戻る場面がないので少なく感じるだけです。
- 12月に申し込んだ寄附は、その年の寄附になりますか?
-
その年の寄附として扱われるかは入金・決済のタイミングで決まります。クレジットカードやスマホ決済は申し込みと同時に決済されますが、銀行振込や郵便振替は入金確認までのずれが出ます。年末ぎりぎりで動くなら決済が即時に完了する方法を選んでください。
- オンライン申請に対応しているか、どこで分かりますか?
-
寄附先の自治体ごとに異なるため、自治体の案内で確認します。対応していない自治体では郵送になります。5自治体に寄附した場合、オンラインと郵送が混在することも珍しくありません。
年内にやること、年明けにやること
整理するとこうなります。
そもそも申込から手続きまでの順番が固まっていないなら、はじめ方を順番に並べた記事を先に見たほうが早いです。
- 12月31日まで:寄附の決済を完了させる。現金系は入金のずれを見込んで早めに
- 翌年1月10日必着:ワンストップの申請書と本人確認書類を、寄附先の自治体へ。引っ越しなどで内容が変わったら変更届も同じ期限
- 翌年2月中旬〜3月15日:確定申告に回る人はここ。ワンストップ済みの寄附も全部載せる
- 翌年6月:住民税の通知で控除額を確認する
ふるなびそのものの使い勝手や独自サービスはふるなびの評判と使いどころにまとめています。控除の上限額から決め直したい場合はふるさと納税の限度額の決まり方へ。
勤務先に知られるのが気になって手続きを迷っているなら、会社に渡る通知書に何が載るかを様式から確かめた記事で先に不安の中身を整理しておくといいです。
会員登録しておくと、申請書を記入済みの状態でマイページから出せます
控除される額は所得や家族構成、その年に受ける他の控除で変わります。申請の要否や書類の指定は寄附先の自治体によって異なる場合があるため、最終的な判断は自治体と所轄税務署の案内に従ってください。



