ふるさと納税のポイント廃止で何が変わった?禁止された範囲と規制後の実態

2025年10月1日から、ふるさと納税のポータルサイトがポイントを付けられなくなりました。これで「ふるさと納税はもう終わった」と思ったまま止まっている人が多い。ただ、総務省が実際に禁止したのは一部で、残っているものもあります。そして市場の数字は、言われているのとは違う動きをしています。原文と統計で順番に確かめます。

目次

2025年10月1日に禁止されたのは何か

根拠は総務省のQ&A(ふるさと納税に係る指定制度の運用について)です。該当箇所を引用します。

ポータルサイト運営事業者等により、直接・間接を問わず寄附者に付与されるポイント等(「マイル」、「コイン」等その名称を問わず寄附者に付与される経済的利益をいう。)については、広く「第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益」に該当する。

総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」別紙1 問1の3(2026年10月1日以降は別紙2 問7。本文は同一)

ポイントでもマイルでもコインでも、名前は関係ない。寄附に伴って寄附者が受け取る経済的利益であれば該当する、という書き方になっています。だから各社がそれぞれの独自名称で回避することはできませんでした。

もうひとつ押さえておきたいのは、規制の名宛人です。禁止されているのは自治体側の募集の仕方で、違反したときに指定を取り消されるのも自治体。寄附した人が罰せられる話ではありません。

禁止されたもの、禁止されていないもの

Q&Aには該当する例と該当しない例が列挙されています。ここが実務では一番効きます。

扱い内容
該当する(禁止)ポータルサイト運営事業者等が、寄附に付随して寄附者に付与するポイント等
該当する(禁止)いわゆるポイントサイト等を経由してポータルサイトに遷移し、寄附を行った際に付与されるポイント等
該当する(禁止)クレジット会社やキャッシュレス決済事業者等が付与するもののうち、ふるさと納税に係る寄附の決済を対象として追加的に付与されるもの/ふるさと納税以外のサービス等の利用状況等に応じて追加的に付与されるもの
該当しない(禁止ではない)クレジット会社やキャッシュレス決済事業者等が、通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するポイント
出典:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」別紙1 問1の3(2026年10月1日以降は別紙2 問7。本文は同一)

境目は「追加的かどうか」です。ふだんの支払いと同じ条件でカードに付くぶんは、ふるさと納税で払っても残る。逆に「ふるさと納税の決済なら特別に上乗せ」という設計は消えました。

見落とされがちなのが2行目のポイントサイト経由です。ポータルが自分で付けるのをやめても、外部のサイトを経由すれば実質同じことができる。そこも塞がれています。「抜け道」として紹介されている経路の多くは、この列挙にそのまま当たります。

ここからは表現規制の話(同じQ&Aの別の問)ですが、総務省は例示について「上記の例示だけでなく、これらに類似する表現等についてもご留意いただき」と書き、2026年8月の通知でも「表現全体を総合的に勘案」して判断するとしています。ポイントの列挙のほうも「その名称を問わず」「直接・間接を問わず」。どちらも、書かれた文言だけを避ければセーフ、という作りにはなっていません。

ふるなびで終わったのは「寄附額に応じたコインの付与」

ふるなびは2025年9月5日のお知らせで対応を出しています。原文はこうです。

総務省の告示に基づき、2025年9月に実施するキャンペーンをもって、寄附額に応じたふるなびコインの付与を終了いたします。

ふるなび「2025年10月1日(水)以降の寄附におけるふるなびコイン付与について」2025年9月5日

ここで正確に読みたいのは「寄附額に応じた」付与の終了であって、ふるなびコインというサービスが消えたわけではないということ。ふるなびコインは今も公式サイトのオリジナルサービス一覧に「条件に応じてもらえる・貯まる」として並んでいます。「コインが廃止された」と書いている解説は、この一語を落としています。

  • 終了したのは、寄附額に応じて付与されるぶん
  • 経過措置として、2025年9月30日中に申し込みが完了していれば、決済処理の完了が10月1日0時以降になっても付与の対象だった
  • 保有中のコイン、および2025年10月1日以降に付与されるコインも、引き続きAmazonギフトカード・PayPay残高・dポイント・楽天ポイントに交換できる

3つ目は地味ですが重要です。公式が「10月1日以降に付与されるコイン」という書き方をしている時点で、寄附額連動以外の経路でコインが付く余地は残っている。手元に残高がある人は、失効させる前に交換先を確認しておいたほうがいい。

では、市場は縮んだのか

ここが本題です。総務省の現況調査(令和8年7月31日公表)に、規制をまたいだ期間の実績が出ています。

年度受入額受入件数1件あたり平均(試算)
令和5年度11,175.0億円5,894.6万件約1万9,000円
令和6年度12,727.5億円5,878.7万件約2万1,700円
令和7年度13,314.3億円5,963.0万件約2万2,300円
出典:総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」。1件あたり平均は受入額÷受入件数で試算した参考値

令和7年度の受入額は1兆3,314億円で過去最高。前年比プラス4.6%です。件数も5,963万件でプラス1.4%。住民税控除の適用者数も約1,151万人で、前年の約1,081万人から増えています。

令和7年度は2025年4月から2026年3月までなので、10月1日の規制をまたいでいます。9月の駆け込みと、10月以降の反動の両方が入った数字。それでも金額は過去最高を更新しました。

ただし伸び率は落ちています。令和6年度は前年比プラス13.9%だったので、そこからは明確に鈍化した。「止まった」のではなく「ペースが落ちた」というのが実態に近い読み方です。

もうひとつ、件数がほぼ横ばい(プラス1.4%)なのに金額がプラス4.6%ということは、1件あたりの寄附額が上がっています。人が離れて市場が縮んだ、という形ではありません。

この数字をどう使うか

駆け込みと反動が混ざった1年分なので、これだけで「規制の影響は軽微だった」と断定はできません。影響がきれいに見えるのは、規制後がまるまる1年入る令和8年度の調査です。今の時点で言えるのは「金額は過去最高を更新した」「伸びは鈍化した」の2つまで。

付与が消えたあと、何で選び分けるか

これまではポータル選びの判断材料としてポイント付与の大きさがいちばん分かりやすい軸でした。それが各社横並びで消えたので、残るのは中身の違いです。

  • ふだん使う決済が使えるか:通常の商取引と同じ条件で付くカードやスマホ決済のポイントは規制の対象外。自分のメインの支払い方法に対応しているポータルを選ぶと、その部分は変わらず残ります
  • 独自サービスの有無:あとから返礼品を選べるポイント制、旅行に使える仕組み、使い道から選ぶ形など。付与がなくなったぶん、この差のほうが相対的に大きくなりました
  • ワンストップ特例のオンライン申請への対応:手続きの手間はポータルと自治体の対応で変わります。5自治体に寄附するなら、ここは地味に効きます

選び方を変えるなら、金額の張る枠から先に決めるのが実務的です。同じ寄附上限のなかで枠を配分するので、大きいものを後回しにすると選択肢が狭まる。金額帯が広いのはふるさと納税の家電のあたりです。ふるなびの中身を先に確認したい人はふるなびの評判と使いどころへどうぞ。

2026年10月の改正は、これとは別の話

混同されがちですが、2025年10月のポイント規制と、2026年10月に施行される改正は別テーマです。後者は自治体の募集費用のルール変更で、寄附受入額に対する募集費用の上限が段階的に絞られていくもの。狙い撃ちされているのは主にポータル事業者への手数料で、返礼割合3割の上限自体は変わりません。詳しくは2026年10月からのふるさと納税制度改正で扱っています。

クレジットカード・Amazon Pay・PayPay・楽天ペイ・d払いに対応(使える決済は自治体ごとに異なります)

ポイント付与の停止まわりでよくある疑問

クレジットカードのポイントも付かなくなったのですか?

通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するポイントは、Q&Aで「該当しない」とされています。つまりふだんの支払いと同じ条件で付くぶんは対象外です。禁止されたのは、ふるさと納税の決済を対象に追加的に上乗せされるものです。

ふるなびコインはもう使えませんか?

終了したのは寄附額に応じた付与で、コインというサービス自体は残っています。保有中のコインおよび2025年10月1日以降に付与されるコインも、Amazonギフトカード・PayPay残高・dポイント・楽天ポイントへ引き続き交換できると公式が案内しています。

ポイントサイトを経由すれば今でもポイントが付きますか?

Q&Aは、ポイントサイト等を経由してポータルサイトに遷移し寄附を行った際に付与されるポイント等も該当する、と明記しています。経由による付与も禁止の対象です。

ポイントが付かないなら、ふるさと納税をやる意味は減りましたか?

控除の仕組み自体は変わっていません。2,000円の自己負担で返礼品を受け取れるという骨格はそのままで、上乗せの部分がなくなった形です。実際、令和7年度の受入額は1兆3,314億円と過去最高を更新しています。判断材料が減って、返礼品と手続きの内容そのもので選ぶ形に戻った、と考えるほうが実態に合います。

押さえておく3点

  • 禁止されたのは寄附に伴う付与。ふだんの支払いと同じ条件で付くカードのポイントは対象外で、ポイントサイト経由の付与は対象
  • ふるなびで終了したのは「寄附額に応じた」コインの付与。コインというサービス自体は残っていて、交換先も継続している
  • 令和7年度の受入額は1兆3,314億円で過去最高。伸び率は13.9%から4.6%へ鈍化したが、市場が縮んだわけではない

制度は動いている最中です。ここに書いた内容は公表資料と各社の公式発表にもとづく2026年9月時点の整理で、今後の告示や運用の変更で変わる可能性があります。


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この記事を書いた人

ふるさと納税の制度と実務を、総務省の告示やポータル各社の公表情報といった一次情報をたどって検証している編集チームです。控除上限額の考え方、ワンストップ特例と確定申告の使い分け、返礼品の選び方まで、根拠を示しながら整理しています。なお当サイトは株式会社アイモバイルが運営するものではなく、第三者が運営する情報サイトです。

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