ふるさと納税のポイントは今どうなっている?付くものと付かないもの

「ふるさと納税 ポイント」で出てくる記事は、2025年10月の騒ぎで止まっているものと、更新されないまま昔の付与額を載せているものに分かれています。ここでは2026年9月21日時点で何が付いて何が付かないのかだけを、告示と総務省のQ&Aで確かめます。結論はシンプルで、ポータル側はゼロ、決済側は条件付きで残っている。その線引きは、告示の括弧書きひとつで決まっています。

目次

いま付くもの、付かないもの

先に一覧にします。判断の根拠はすべて総務省のQ&Aの同じ問です。

何がいまどうなっているかQ&Aの扱い
ポータルサイトが寄附に付随して付けるポイント等(名称は問わない)付かない「該当する」=禁止側
ポイントサイトを経由してポータルに移動して寄附したときの付与付かない「該当する」=禁止側
決済事業者が、ふるさと納税の決済を対象に追加的に付けるもの付かない「該当する」=禁止側
決済事業者が、ふるさと納税以外のサービスの利用状況に応じて追加的に付けるもの付かない「該当する」=禁止側
決済事業者が、通常の商取引の決済と同じ条件で付けるもの今も付く「該当しない」=規制の外
出典:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」別紙1 問1の3(2026年10月1日以降は別紙2 問7。本文は同一)

4行目まで全部「付かない」。5行目だけが残っている。そして5行目は、あとで書くとおり特例で見逃されているのではなく、最初から規制の対象外です。ここを取り違えると「いつ塞がれるか分からない抜け道」に見えてしまう。

ルールが向けられている相手は、ポータルでも決済会社でもない

ここが分かると、残りは全部すっきりします。指定基準の告示は、こう始まります。

一 地方団体による第一号寄附金(略)の募集として次に掲げる取組を行わないこと。

平成31年総務省告示第179号 第3条第1号柱書(令和8年10月1日適用版)

主語は「地方団体による募集」。禁止されているのは自治体が、ポイントを付ける事業者を通じて寄附を集めることであって、ポイントを付ける会社そのものを取り締まる規定ではありません。総務省自身が、2026年8月20日の通知でこう書いています。

また、ふるさと納税に関係する外部事業者がポータルサイト上で「適切な寄附先の選択を阻害するような表現」を行った場合であっても、指定取消の対象となるのは当該地方団体です。

総務省「ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について」令和8年8月20日 総税市第96号

ペナルティを食らうのは自治体。指定を外されると、その自治体への寄附は特例控除の対象から落ちます。だからポータル各社は一斉に止めた。止めなければ、自治体の側が寄附を集める先として使えなくなるからです。

逆に言えば、カード会社や決済事業者には総務省から直接の命令は届いていません。彼らが通常どおりポイントを付けていること自体は、誰の違反にもならない。「ポータルは全滅したのに、カードのポイントだけなぜ生きているのか」の答えがこれです。

2026年6月26日の総税市第71号は、自治体に対して「募集を委託している事業者が経済的利益を提供していないことを定期的に確認せよ」と求めています。つまり監視コストも自治体持ち。制度の作りとして、自治体がポータルの振る舞いに責任を負わされる形になっています。

禁止側の例は3つではなく4つある

Q&Aには「該当すると考えられる例」が列挙されています。多くの解説は3つで紹介していますが、原文の3つ目は2つの類型がひとつの行にまとめて書かれているので、数え方としては4つです。

・ ポータルサイト運営事業者等が寄附者に対して、寄附に付随して付与するポイント等
・ いわゆるポイントサイト等を経由してポータルサイトに遷移し寄附を行った際にポイントを付与する当該寄附に付随して付与されるポイント等
・ クレジット会社やキャッシュレス決済事業者等が、寄附に係る決済に付随して付与するポイント等のうち、①ふるさと納税に係る寄附に係る決済を対象として追加的に付与されるもの及び②ふるさと納税以外のサービス等の利用状況等に応じて追加的に付与されるもの

総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」別紙1 問1の3(2026年10月1日以降は別紙2 問7。本文は同一)

効いているのは②のほうです。「ふるさと納税以外のサービスの利用状況に応じて上乗せする」型が名指しされている。他サービスをどれだけ使っているかで倍率が上がる仕組みは、ふるさと納税の決済を狙い撃ちしていなくても、この②に当たります。ポイント規制の話を「ふるさと納税だけ特別扱いしなければいい」と理解していると、ここを読み落とします。

ひとつ注意。この②を「2026年に足された条項」と書いている解説がありますが、これは新設ではありません。2026年4月1日付けのQ&Aに付いている新旧対照表には、問7について「告示の規定の整備に伴う問番号ズレ(旧問1の3)」とだけ書かれています。内容の改正ではなく、番号の振り直しです。

白黒を分けているのは「追加的に」の一語

告示の括弧書きは、経済的利益の定義からこう除いています。

第一号寄附金に係る決済に伴って提供されるものであって、通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するものを除く。

平成31年総務省告示第179号 第3条第1号ロ⑵(令和8年10月1日適用版)

定義の段階で抜いてある。許可されているのではなく、そもそも対象に入っていないという構造です。判定の手順は2つだけ。

  • その付与は、すべての取引に一律のレートで付くものか。なら規制の外
  • ふるさと納税のときだけ、あるいは他サービスの利用状況に応じて上乗せされるか。なら禁止側

この物差しがあると、新しい企画を見たときに自分で判定できます。「ふるさと納税サイトでのお支払いだけ+3%」のような設計が出てきたら、それは①に直撃する。逆に「全加盟店で1%」は何も変わりません。

断定できなかったところ

個別のカード特典(特定の日付に倍率が上がる類のもの)について、総務省が「これは適合する」と明示した文書は確認できませんでした。Q&Aの文言からは「全取引一律なので規制の外」と読めますが、当局が名指しで是認した記録は見つかっていません。各社の扱いが将来変わる可能性は残ります。

出典の番号が2つあるのは、条文が入れ替わる途中だから

ここは細かい話ですが、他サイトと突き合わせるときに必ず引っかかるので書いておきます。同じ内容のQ&Aに、いま2つの番号が併存しています。

適用期間どこを見るか
2026年4月1日〜2026年9月30日別紙1 問1の3(告示第2条第1号ロ⑵)
2026年10月1日〜別紙2 問7(告示第3条第1号ロ⑵)
本文は両者まったく同じ。条番号と問番号だけが違う

同法のふるさと納税に係る改正規定の施行日を踏まえ、令和8年4月1日から令和8年9月30日までは別紙1によることとし、令和8年10月1日以降は別紙2によることとします。

総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて」令和8年4月1日付け 総税市第33号

つまり「問7」と書いてある解説は、2026年9月30日までの寄附については施行前の番号を引いていることになります。中身は同じなので実害はありませんが、原典に当たりたい人は寄附の日付で使い分けてください。当サイトは両方を併記する書き方に統一しています。

次に消えるのはポイントではなく「表現」のほう

付与そのものの規制は2025年10月で完了しています。2026年に入って総務省が動いているのは、価格の見せ方のほうです。2026年8月20日の通知は、ポータル上の表現をこう名指ししました。

通常よりも必要寄附金額が割安であると寄附者に認識させる表現を用いた事例が散見されており、これらは募集適正基準に違反するおそれが高いと考えています。また、将来的な必要寄附金額の引上げを予告して募集を行うことも同様です。

総税市第96号(令和8年8月20日)

「いま申し込まないと寄附額が上がりますよ」と予告する形も同じ扱いだ、と明記されたのが新しいところ。しかも判断の基準はこうです。

単に特定の文言を用いているかではなく、地方団体が募集に際し用いている表現全体を総合的に勘案して判断するものであり、Q&A別紙1問5に例示されている表現を用いなければ、募集適正基準違反とはならないという趣旨ではありません。

総税市第96号(令和8年8月20日)

言葉を言い換えれば逃げられる、という作りにはなっていません。同じ通知は「今後、調査を行うことを検討する」とも書いているので、秋以降ポータル上の煽り文句は目に見えて減るはずです。

物での上乗せも同じ扱いになりました。2026年6月26日の通知が、ポイント以外の形にも釘を刺しています。

なお、経済的利益は、ポータルサイト運営事業者が付与するポイントに限られず、返礼品提供事業者が通常提供する返礼品とは別に、追加的に物品等を提供することを表示して募集を行った場合には、本指定基準に違反するおそれがあることに十分留意すること。

総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」令和8年6月26日付け 総税市第71号

いわゆる「おまけ」を表示して集めるのも禁止側、ということ。ポイントを物に置き換える逃げ道は、ここで先回りして塞がれています。なお2026年9月21日時点で、この分野の最新の通知は8月20日の総税市第96号です。それ以降の新しい通知は出ていません。

で、いま差がつくのはどこか

ポータル由来の付与がどこもゼロになった以上、「どのサイトで寄附するか」でポイントの量は動きません。動くのはどの決済で払い、その決済の財源を何に設定しているかだけです。

これが意外と落とし穴で、同じサービスでも紐付けたカードの種類によって対象外になる設計が普通にあります。決済ごとの条件は決済手段別にポイントが付く条件を並べた記事にまとめました。2025年10月に何が止まったのかという経緯のほうを知りたい人はポイント付与が止まったときの整理へ。2026年10月からの制度改正は別テーマで、募集費用のルール変更のほうで扱っています。

サイト選びの基準としては、付与の代わりに独自サービスと手続きの手軽さが残りました。ふるなびの中身はふるなびの評判と使いどころで分解しています。

使える決済は自治体ごとに違うので、申込画面の手前で確認できます

ポイントまわりで今も多い誤解

結局、ふるさと納税でポイントは1つも付かないのですか

ポータルが付けるぶんはゼロです。カードやスマホ決済が、ふだんの支払いと同じ条件で付けるぶんは残っています。Q&Aが「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するもの」として、そもそも規制の対象から除いているためです。

ポイントサイトを経由すれば抜けられると聞きました

Q&Aの禁止例の2つ目がまさにその経路です。ポイントサイトを経由してポータルに移動して寄附したときの付与も「該当する」と明記されています。抜け道として紹介されているものの多くは、列挙にそのまま当たります。

違反すると誰が罰せられるのですか

自治体です。指定基準は自治体に向けた行為規範で、違反すると指定が取り消されます。寄附した人が責任を問われる仕組みではありません。ただし指定が外れた自治体への寄附は特例控除が効かなくなるので、無関係でもありません。

昔の記事に載っている付与率は、いま使えますか

使えません。2025年10月1日より前の数字です。付与率を比較軸にしている記事は、更新日を見て2025年10月以降のものか確かめてください。制度上、ポータル由来の付与はどこも横並びでゼロです。

この先また規制が変わる可能性はありますか

2026年9月21日時点で、この分野の最新の通知は8月20日の総税市第96号です。そこでは表現について「今後、調査を行うことを検討する」とされているので、動くとすれば表現側でしょう。付与の線引き自体は告示の括弧書きで決まっているため、告示が改正されない限り変わりません。

この記事の骨だけ

  • ポータル由来の付与は全社ゼロ。決済事業者が通常どおり付けるぶんだけが残っている
  • 残っているのは見逃されているからではなく、告示の定義から最初に除かれているから
  • 禁止側の例は4類型。見落とされるのは「ふるさと納税以外のサービスの利用状況に応じた上乗せ」
  • 境界は「追加的に」の一語。全取引一律なら白、ふるさと納税だけ上乗せなら黒
  • 2026年に入って動いているのは表現の規制。最新は8月20日の総税市第96号

ここに書いた内容は2026年9月21日時点の告示・通知・Q&Aに基づく整理です。制度は動いている最中なので、実際に寄附する前に日付を確認してください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ふるさと納税の制度と実務を、総務省の告示やポータル各社の公表情報といった一次情報をたどって検証している編集チームです。控除上限額の考え方、ワンストップ特例と確定申告の使い分け、返礼品の選び方まで、根拠を示しながら整理しています。なお当サイトは株式会社アイモバイルが運営するものではなく、第三者が運営する情報サイトです。

目次