ふるさと納税の限度額早見表|年収と家族構成で引く目安と、その前提10個

ふるさと納税の早見表は、どのサイトを見ても似たような形で並んでいます。ところが年収500万円の行を3社で見比べると、金額がそろわない。この記事は表そのものを置きにきています。ただし表は前提とセットでないと使えないので、前提を10個とも開示したうえで載せます。計算の仕組みそのものは別記事に分けました。

目次

年収・家族構成別の早見表(令和8年分)

先に表を出します。2026年中に寄附する分(令和8年分・令和9年度の住民税)の制度で計算したものです。金額は1,000円未満を切り捨てた目安。

給与収入独身または共働き夫婦(配偶者に収入なし)共働き+高校生の子1人共働き+大学生の子1人夫婦+高校生の子1人
300万円28,000円19,000円19,000円15,000円11,000円
350万円34,000円26,000円26,000円22,000円18,000円
400万円42,000円33,000円33,000円29,000円25,000円
450万円49,000円41,000円41,000円37,000円33,000円
500万円57,000円49,000円49,000円44,000円40,000円
550万円69,000円57,000円57,000円54,000円48,000円
600万円77,000円69,000円69,000円62,000円57,000円
650万円85,000円77,000円77,000円74,000円68,000円
700万円108,000円86,000円86,000円83,000円78,000円
750万円118,000円109,000円109,000円92,000円87,000円
800万円129,000円120,000円120,000円116,000円110,000円
900万円152,000円143,000円141,000円138,000円132,000円
1000万円177,000円167,000円163,000円159,000円153,000円
当サイトの試算。令和8年分(2026年中の寄附/令和9年度の住民税)の制度で計算。特例分の割合は復興特別所得税を加えた率(84.895%・79.79%・69.58%・66.517%・56.307%)を使用。
この表の前提(10個)
  1. 給与収入のみ。副業・不動産・譲渡所得なし
  2. 社会保険料は給与収入の15%と仮定(ここが各社でいちばん差が出る)
  3. 住宅ローン控除・医療費控除・iDeCoなど、ほかの控除はなし
  4. 令和8年分(2026年中の寄附/令和9年度の住民税)の制度
  5. 住民税の基礎控除43万円/配偶者控除33万円/扶養控除33万円(特定扶養45万円)
  6. 所得税の基礎控除は合計所得金額に応じて104万円・67万円・62万円
  7. 住民税の所得割10%(調整控除を適用後)。課税所得は1,000円未満切捨て
  8. 所得金額調整控除(給与収入850万円超×23歳未満の子)は考慮している
  9. 令和19年中の寄附までは所得税の税率に復興特別所得税2.1%が乗るため、特例分の割合は84.895%などの半端な数字になる
  10. ふるさと納税以外の税額控除はなし。政令指定都市かどうかで結果は変わらない

2つ目がいちばん効きます。社会保険料の率を14%で置くか16%で置くかで、年収500万円の行は数千円動く。前提を書いていない早見表は、この数字がどこから来たのか追えません。

表を引く前に、3つだけ確かめてほしい

その表は「どの年分」のものか

ここがいちばん事故になりやすいところです。同じ年収500万円・独身でも、年分によって金額が変わります。

年分所得税の基礎控除所得税率特例分の割合上限額
令和6年分以前48万円10%79.79%61,000円
令和7年分68万円10%79.79%61,000円
令和8年分104万円5%84.895%57,000円
給与収入500万円・独身、社会保険料は給与収入の15%と仮定した場合。

よく見かける「年収500万円なら61,000円」は、令和6年分・令和7年分としては正しい金額です。誤りではありません。年分が切り替わったので変わった、というだけの話。

なぜ下がるのかは、所得税の基礎控除が上がって所得税率の区分が10%から5%に落ち、そのぶん住民税の特例分に寄りかかる構造になるからです。特例分には所得割額の2割という上限があるので、より小さい寄附額でその天井に当たる。この仕組みは限度額の決まり方の記事で条文から追っています。

この読み方について

「令和8年分から上限が下がる人がいる」というのは、当サイトが条文を読んで出した結論です。税務当局が個別にこの点の見解を示した資料は、現時点では確認できていません。全員が下がるわけでもありません。実際の金額は、お住まいの市区町村か税務署に確認してください。

「共働き」がどの状態を指しているか

早見表の「共働き」は、配偶者控除も配偶者特別控除も使っていない状態を指すのが一般的です。夫婦とも働いていても、配偶者の収入が低くて配偶者控除が使えるなら、表の上では「夫婦(配偶者に収入なし)」の列に近づきます。

この表を見て気づくと思いますが、「夫婦(配偶者に収入なし)」と「共働き+高校生の子1人」は800万円まで1円も変わりません。住民税の配偶者控除33万円と一般の扶養控除33万円が同額だからです。900万円から分かれるのは、給与収入850万円を超えると所得金額調整控除が子どものいる側にだけ効くため。

子どもの年齢で、そもそも列が変わる

中学生以下の子は扶養控除の対象外です。だから小学生の子が2人いても、上限額は独身の列と同じ。「子どもがいるから枠が小さくなる」のは高校生以上の話です。

ただし給与収入850万円を超えると、中学生以下の子でも所得金額調整控除が効くので独身より少し下がります。年収900万円なら152,000円が151,000円くらい。

表によって金額が違うのは、どちらかが間違っているからではない

3社の早見表を並べて数字が合わないと、どれが正しいのか分からなくなります。ただ、ずれの理由はだいたい決まっています。

  • 社会保険料の前提。14%なのか15%なのか16%なのか。各社は明示していないことが多い
  • 対象の年分。令和6/7年分のまま更新されていない表と、令和8年分の表が混在している
  • 特例分の割合。条文本則の85%・80%で計算するか、復興特別所得税を織り込んだ84.895%・79.79%で計算するか。条件によって1,000円ほど変わる
  • 家族構成の定義。「共働き」の意味、子の年齢の置き方

そもそも、総務省は年収別の早見表を公表していません。総務省の「税金の控除について」を全文検索しても「目安」「給与収入」「独身」「共働き」「早見」はどれも出てきません。書いてあるのはこれだけです。

具体的な計算は、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

総務省「税金の控除について」

総務省が数字で示しているのは年収1,000万円以上のモデルケースだけ。世の中に出回っている早見表は、全部どこかの会社の独自試算です。当サイトの表もそうです。だから前提を10個並べました。

ちなみに当サイトの試算では年収1,000万円・独身が177,000円。総務省のモデルケースは18万円なので、約3,000円ずれています。社会保険料の前提差です。この程度はずれるものだと思っておいたほうがいい。

この表が使えない人

前提1〜3から外れる人は、表の数字をそのまま使わないほうがいいです。

こういう人は表からどれくらい動くか
医療費控除を使う年課税所得が減るぶん下がる。医療費が大きい年ほど差が出る
住宅ローン控除がある読みにくい。控除しきれるかどうかで変わるので、表は使わず個別に確認したほうが早い
年の途中で転職・退職した年収が確定しないと出せない。12月の給与が出てから考える
副業・不動産・株の利益がある上がることが多いが、申告の仕方で変わる
ふるさと納税以外の寄附もする枠を分け合う形になる

目安で止めず、自分の数字で出したいとき

早見表は「だいたいこのへん」を掴むためのものです。枠を1,000円単位まで使い切りたいなら、手元の書類の実額に置き換えるほうが確実。

住民税の課税決定通知書を探す

会社員なら5〜6月ごろ勤務先から配られます。ここに「所得割額」が載っています。

所得割額から逆算する

市町村民税と道府県民税の所得割額を足した額に対して、特例分は2割が上限。そこから逆算すると目安より精度が上がります。式は限度額の決まり方の記事に置いてあります。

確実にしたいなら市区町村に聞く

総務省が案内しているとおりです。上限ぎりぎりを狙うなら、これがいちばん早い。

ひとつ注意。通知書に載っているのは前年の所得に対する住民税です。今年の収入が大きく変わっているなら、そのままは使えません。

上限のあたりがついたら

金額が決まると、選び方の話に移れます。寄附金額の帯によって選択肢の性格がかなり変わるので、家電の返礼品を寄附金額の帯で整理した記事と返礼品を選ぶときの軸をまとめた記事が参考になるはずです。申込後の手続きが不安ならワンストップ特例と確定申告の記事を先に読んでおくと、あとで慌てません。当サイトが軸にしているふるなびについては運営会社と独自サービスを一次情報で確かめた記事にまとめています。

目安より一歩踏み込んで、源泉徴収票の数字で自分の上限を出したい人は実額に置き換える手順の記事へ。

金額の絞り込みは一覧の左側から。見るだけなら会員登録は要りません

早見表まわりでよくある質問

この表の金額まで寄附すれば、自己負担は2,000円で収まりますか

前提10個がそのまま当てはまる人なら、おおむね収まります。ただし社会保険料の実額が15%から離れている人はずれます。ぎりぎりを攻めるなら少し余裕を持たせるか、通知書から逆算してください。

よそのサイトの早見表と金額が違いました。どちらを見ればいいですか

まず年分を確認してください。令和6/7年分の表と令和8年分の表では、条件によって数千円変わります。そのうえで社会保険料の前提が書いてあるほうを使うのが安全です。前提が書いていない表は、合っているかどうかを確かめようがありません。

年収は額面ですか、手取りですか

額面です。源泉徴収票の「支払金額」に当たります。手取りで引くと枠を小さく見積もることになります。

共働きで夫婦それぞれ寄附する場合は、表をどう使いますか

枠は個人ごとです。それぞれの年収で別々に引いてください。合算はしません。名義も分けて、寄附する本人の名前で申し込む必要があります。

来年も同じ表を使えますか

使えません。この表は令和8年分の制度で計算しています。制度が変われば作り直しが必要です。

ここだけ持ち帰れば足りる

  • 早見表はすべて各社の独自試算。総務省は年収別の表を公表していない
  • 数字がそろわない主因は社会保険料の前提と対象の年分
  • 令和8年分は、条件によって令和6/7年分より下がる。よく見る61,000円は当時の数字としては正しい
  • 医療費控除・住宅ローン控除がある年は、表を使わず個別に確認する
  • 詰めたいなら住民税の課税決定通知書の所得割額から逆算する

この記事の金額は当サイトの試算です。税額の判断はお住まいの市区町村または税務署にご確認ください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ふるさと納税の制度と実務を、総務省の告示やポータル各社の公表情報といった一次情報をたどって検証している編集チームです。控除上限額の考え方、ワンストップ特例と確定申告の使い分け、返礼品の選び方まで、根拠を示しながら整理しています。なお当サイトは株式会社アイモバイルが運営するものではなく、第三者が運営する情報サイトです。

目次